プランティングって?

クラシックギター

ギターはスペイン語圏と結び付きの深い楽器ですが、スペイン語で楽器を演奏することをtocarと言います。「ギターを弾く」は”tocar la guittara”になるわけですが、実はこの言葉には「楽器を弾く」という意味以外に「触れる」の意味があります。これはギターの演奏にとって非常に示唆的であるように思えます。
ギターは撥弦楽器(弦をはじいて音を出す楽器)であり、弦をはじくために、まず指で直接弦に触れる必要があります。それだけに弦に触れる繊細な感覚というものがギターを演奏するうえで重要な役割をもつのです。例えば、ギタリストは常に弦に触れる右手の指の感覚で6本の弦を識別していますし、音色や強弱もどのように弦に触れるかで大きく左右されます。
ロサンゼルス・ギター・カルテットで有名なスコット・テナントの教本「パンピング・ナイロン」で取り上げられ、ギター講習会などでも近年よく耳にされ、重視されているプランティングという技術があります。簡単に説明すると「右手の指を弦を鳴らす前に弦の上に準備すること」です。
これは離れた位置から指を「弦に叩きつける」ような奏法とは正反対の、まさに「弦に触れる」という感覚を重視した考え方だと思います。
現代のギター奏法には不可欠な考え方で、プランティングという言葉自体は使わなくても、優れたギタリストはみな意識している奏法と言えるでしょう。私の師匠の猪居信之先生に習っていた時も、プランティングとは言いませんでしたが、よく「指を弦上にセットして!」という指摘はよく受けました。

写真は和音を弾く直前の指の様子ですが、弦上にしっかりと指がセットされているのがわかるでしょうか?具体的には爪と指頭の間に弦がしっかりと触れる感覚です。
ギターを練習中の皆さんは指先の鋭敏な神経を養い、単に指を動かすだけでなく、「指で触れる=プランティング」という感覚を意識してみましょう!