不完全な暗譜

ギター 暗譜するには

初めてギターレッスンを受けられた方で、曲を暗譜されて弾いている方がいました。途中で気になる譜読み間違いがあったので、一度最後まで聞いた後で、その点を指摘した後、「その部分をもう一度弾いて下さい」と言ったですが、その方はなぜか曲の一番最初に戻って弾き始めました。
その後もミスを指摘するたび、冒頭に戻る事を繰り返し・・・さすがに気になって理由を聞いたところ、「最初から弾かないと思いだせない」との事でした。

この方は極端な例かもしれませんが、実はこれに近い方は大勢います。普段の練習方法を聞いてみたところ、こういった方たちの共通点は「一通り曲を覚えたら楽譜を見ない」「常に最初から最後まで通して練習する」というものでした。もしこういった練習方法を実際にあなたもされているとしたら、要注意です!
まず楽譜というものは暗譜したら後は不必要な物ではありません。演奏上の重要な情報が楽譜にはたくさん書き込まれているのですから、たとえ暗譜している曲でも常に楽譜は用意しておきましょう。思わぬ譜読み間違い、記憶違いもあるかもしれませんから、時には楽譜を見直しながら演奏しなければなりません。

さらに1曲を通して弾くことを繰り返すだけの練習は避けましょう。最初から最後までの一連のつながりでしか覚えていないとしたら、それは不完全な暗譜なのです。ほんの少し条件が違っただけで、すぐに記憶が飛んで演奏がストップしていまう恐れがあります。これを避けるためにはどうしたらいいでしょう?

これには様々な対策法があります。例えば、常に冒頭から演奏し始めるのではなく中間部から弾いてみる。4小節~8小節ほどの部分を取り出し、小分けにして練習する。メロディーラインはドレミファ♪の音名で暗記・暗唱できるようにする。特に難しい部分はテンポを変えたり運指を見直すなどして、じっくり繰り返し練習するなど・・・
こういう部分ごとの練習というものは、もちろん楽譜を見ながらでないと難しいでしょう。面倒くさいと感じる方もいるかも知れませんが、「完全な」暗譜には不可欠な練習方法です。逆に1曲を最初から最後まで通しての練習は一日の練習の中では1回か2回程度で十分でしょう。

ギター曲は左右の手の複雑な動きをともなうので暗譜しにくいものだと思います。最初に例に出したような練習方法では、少しでも演奏の環境が変わったり、緊張感やあがりが生じると、あっという間に頭の中が真っ白になってしまいます。発表会などですぐに止まってしまう、家ではうまく弾けるのにレッスンでは固まってしまう、という傾向のある方は特に気をつけましょう。