CD『ピアソラの時代』に寄せて

ギター&バンドネオン『ピアソラの時代』2ndCD『EPOCA PIAZZOLLANA~ピアソラの時代』の一般発売開始も迫っています。ギター&バンドネオンデュオというニッチなジャンルの音楽に取り組んで、6年。現時点での私たちのピアソラの集大成です。このCDに向けた思いを書き留めました。

≪CD『ピアソラの時代』に寄せて≫
古典タンゴを中心とした最初のCDが完成した直後から、「次はピアソラで」という思いは漠然とあった。ただ、同時に今やジャンルを超えた広がりを持つピアソラ人気、そんな中でタンゴに軸足を置く私たちが「タンゴにクラシック、ジャズの要素を取り入れた独自の音楽を産み出した」というような教科書的なピアソラの解釈をしたくないという2人の共通の思いはあったようだ。
今回のアルバムでは「時代」を意識してみたいと思った。
ピアソラというと多くの人は70年代後半以降の「黒いシャツを着てバンドネオンを弾く初老の男」という姿を思い浮かべるかもしれないが、そこにいたるまでのピアソラ、つまりニューヨークでの少年時代、トロイロ楽団を経て、タンゴ革命の提唱、パリ留学、ニューヨークでの挫折・・・タンゴミュージシャンの中ではまだまだ若輩の私たちだからこそ、こういった波乱と葛藤の時代を追い、その時代の雰囲気を表現することで「発展途上のピアソラ」の姿を探してみたかったのだ。
そしてこの半世紀以上の時の流れの中で、タンゴそのものも2度の黄金時代から低迷期へと変動の時代へと向かう。時代が変わり、すべての輝かしい過去がノスタルジーという言葉の下に消えていく・・・・そんな中、ピアソラが闘いぬいて追い求めた「タンゴの魂」とは何なのか?
「タンゴの破壊者」とも言われたピアソラだが、私たちの世代はむしろピアソラをきっかけとしてタンゴという魔性の音楽にのめりこんでいったというものが大半だろう。ピアソラがタンゴにめぐり合わせてくれたのだ。ピアソラを完全に理解するには、結局100年以上に及ぶタンゴの歴史と、その中を駆け抜けていった有名無名のアーティストたちの音楽を理解しないといけないと言ったら言い過ぎだろうか?
≪愛と闘争・都市と孤独 ・生と死・光と影・過去と未来 すべてを内包するタンゴ…≫
私たちはただ目を閉じ、過去に思いをはせ、そして楽器を手に取る。ピアソラが示してくれた世界への私たちなりの愛と感謝を示して!

Discography

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