ギター練習のヒント

演奏経験

現在私はレギュラーの仕事や小さい仕事も含めると月に5回~10回は演奏に出ています。そのために生徒の皆様にはレッスン日の変更など、いろいろとご迷惑をおかけして申し訳なく思っております。
かつてギタリストとして活動を開始したころ、いろいろな方にアドバイスをいただきましたが、「演奏のプロか、レッスンのプロか、どちらかに絞った方がいいのでは?」という意見の方が何人かおられました(音楽関係以外の方だったと思います)。確かに当時は演奏の仕事を探してくるのも難しく、かなり無理をして入れた仕事もありました。しかし少なくとも月に1~2度は何としてでも演奏の機会を作るというのは当時の目的でした。
やはり繰り返し人前で演奏することによってしか積めない経験、見えてこないギターの真髄があるのではないか・・・と当時思っていましたし、最近それは確信に変わってきています。
たとえば常に弾ける状態の曲が1,2曲しかないのか、10~20曲あるのかでは練習の仕方自体が変わってきます。1週間である曲を仕上げないといけない、歌手に合わせて移調しないといけない、急きょ誰かの代役で弾かないといけない・・・不測の事態に対応する能力も問われてきます。1~2時間演奏する体力、集中力も養わないといけません。演奏家としてのスキルアップだけではなく、そのような経験を通じて得られた技術や知識は、レッスンの中でも生徒の皆さんに還元できるかと思っています。

ところでアマチュアの方でも、できるかぎり「人前で弾く」という機会を持ってほしいと思います。何も発表会や自主企画コンサートだけの話ではありません。もっと小規模な演奏機会でも大丈夫です。家族、友人、恋人、ギター仲間、周囲のいろいろな方が聴き手になってくれるでしょう。人に聴かれるという事は、相手が自分の演奏を味わい、評価するという事ですから、当然やりがいも緊張感も段違いです。壁に向かってもくもくと練習するのと、人に聞かせるための演奏は根本的に違います。当然後者の方が圧倒的に難しく、そして素晴らしいのです!この曲を誰にどのように聞かせたいか・・・そう考え始めた時、あなたはもう立派なギタリストなのです。普段の練習の時から自分の演奏を聞かせる相手を想定することはとても素晴らしいことだと思います。

昔先輩ギタリストに言われた「1回の人前での演奏は100回の1人での練習に勝る経験である」は今でも私の座右の銘になっています。

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