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『ピアソラ自身を語る』を読んで

以前から気になっていた書籍『ピアソラ自身を語る』を購入しました。いや~なんとも熱い本です!稀代の作曲家にして演奏家、今やタンゴにとどまらない現代作曲家として評価されるピアソラの肉声。半分は最晩年1990年に行われた本人へのインタビュー、残り半分は関わりのあった人々へのインタビューなどで構成されていますが、やはり前半の本人の談は老いてなおエネルギーに満ちていて魅力的です。自分に対する絶対の自信、決意、闘争心、タンゴへの愛憎入り混じった思い・・・こういったものがにじみ出てくるような一言一言は力強く知的です。人間的にはかなり複雑で、付き合うにはややこしい人物だったようですが、それでも自然に周囲の人間をひきつけ、巻き込んでいく求心力があったのでしょう。

ピアソラを評して「戦い続けた人生」とはよく言われる事ですが、「何と戦ってきたか」がおぼろげに理解出来てきた気がします。特にピアソラを演奏する人にとっては、作品理解の大きな糸口になるかもしれません。

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