シエロ・オンライン・ミュージックサロン《関西クラシックギターの挑戦者たち⑦》

久しぶりの更新となる今回は第3回で登場していただいた神戸のヤマサキギター音楽院を再訪。
2020年の新型コロナウィルス(COVID-19)は深刻な影響を全世界にもたらし、日本の多くのミュージシャン達もいまなお自由な活動が困難な状況となっています。
そんな中であたらしいチャレンジ「シエロ・オンライン・ミュージックサロン」に着手した山崎由規さんにインタビューをさせていただきました。(聞き手:米阪隆広)

クラシックギター 山崎由規─────新型コロナウィルスの影響はクラシックギター業界にも大きな影響がありましたね。山崎さんはいつごろから危機感を持ち始めましたか?教室の方ではどのような対応をされたでしょう?

様々なコンサートやコンクールが次々と中止・延期に追い込まれ、現在もなかなか演奏活動ができない状況ですね。
私自身も今年の4月にホルヘ・カバジェロの来日公演を企画していたので、2月くらいからニュースなどを見ながら次第に心配が膨らんでいきました。3月には教室を休まれる方も増え始め、3月末にはホルヘ・カバジェロの来日が不可能となり、いよいよ事態が深刻になっていきました。
4月7日に神戸を含む大都市圏に緊急事態宣言が出されたため、4月の2週目からは教室の方は休業することになりました。4月5月は実質的にほぼまるまる休業したことになりますね。

─────休業期間中はどのようにされていましたか?

緊急事態宣言が出された時点ではまだ国による保障がどうなるかが不透明であせりが大きかったですね。突然収入が絶たれたわけですし、赤字をどうするか、教室の家賃をどうするか、オンラインレッスンを導入できるか、など問題は山積みでした。
オンラインレッスンをしようにも、うちの教室テナントにはインターネット回線が無かったので、まずはそれを導入するところからのスタートでした。
ともかく各所に問い合わせて情報収集していました。あとはギターの練習くらいですね。「最悪いったん教室を閉めて別の働き口を探さないといけないかも」とまで覚悟していました。
5月になって給付金や休業補償などの内容が具体的にわかってくると、ようやく次の手を考える余裕が出てきました。
それが最近ようやく稼働し始めた「シエロ・オンライン・ミュージックサロン」です。

シエロ・オンラインミュージックサロン 神戸 ギター─────シエロ・オンライン・ミュージックサロンとはどのような構想ですか?

せっかく持続化給付金などをいただくなら利益補填に投じるのではなくて、少しでもクラシックギター界の持続化に役立てたいと思ったのがそもそもの始まりです。
教室のオンライン環境も整ったので、どうせならオンライン配信コンサートができる施設を作ってしまおうと考えたのです。
この半年で音楽業界は劇的に変化して様々なミュージシャンやコンサートホール・ライブハウスなどがオンライン配信に挑戦していますが、クラシックギター業界は一歩立ち遅れているように感じます。
そこで大規模な演奏会の開催が難しくなってしまっている今、演奏者・観客の双方が安心して参加できるクラシックギターを中心としたオンライン音楽サロンという構想が生まれたのです。

─────オンラインの知識はあまりなかったそうですが、すべて自分で準備したのですか?

各方面の先輩方にアドバイスをいただいて準備を進めました。
特にいち早く多視点ライブ配信を始めた和歌山在住のギタリスト金谷幸三さん、機材調達等でアドバイスをいただいたコンポーザーギタリストの田島秀章さんには大変お世話になりました。
機材などをそろえてからは、ほとんど独学でネット配信について勉強しました。
具体的に準備を始めたのがギター教室を再開してからなので、レッスンの後に毎日夜中の3時くらいまで残って準備に追われていました。
機材のセッティングや教室の改装なども終わり、8月はじめごろにテスト・プレ配信も済ませてようやく本格的にスタートできる環境が整いました!

猪居亜美 オンライン・ギター・コンサート─────第1回目の配信はもう決定しているのですね。

はい。8月23日(日)14時から配信予定です。
第1回はシエロ・オンライン・ミュージックサロンの開設記念ということでクラシックギタリストの猪居亜美さんに出演していただきます。彼女自身も早くからYouTubeを積極的に活用しており、現在はチャンネル登録者5万人を超える大人気ギタリストですね。
配信チケットはイベントペイというオンライン決済システムを利用しており、各種クレジットカード決済、コンビニ決済、ペイジー決済に対応しています。(詳細は画像をクリック)

─────それは楽しみですね!最後にシエロ・オンライン・ミュージックサロンにかける想いをお聞かせください。

このオンライン配信の取り組みが単に生演奏コンサートの代替とか音楽が生き残っていくための手段と考えるのではなく、新しい音楽の交流の手段になってほしいと思っています。
たとえばある演奏家のオンラインコンサートを聞いた方が、次に開催される別の演奏家のコンサートにも興味を持って聞いてもらう……これを繰り返すことであるギタリストのファンが別のギタリストのファンにもなって、交流の輪がどんどん広がっていくという流れになったらうれしいですね。
また初めて聞く演奏家の場合、実際のコンサートに足を運ぶのはためらってしまうという方でも、オンラインコンサートなら敷居が低いのでもっと気軽にいろいろな人の演奏を聞けるかもしれません。
オンラインコンサートによって音楽の世界がどんどん広がっていったらいいなと思います。
私自身もこういった音楽企画をオーガナイズすることが大好きなので楽しんで取り組んでいきます!

─────第3回のインタビューでお話しいただいた「みんなで共有して広がっていくギターの世界」という山崎さんの視点が、オンラインによってさらに広がりを見せるかもしれませんね。今日はありがとうございました。

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