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十三アルディエンテでフラメンコとタンゴのコラボレーション


12月15日は十三のスタジオ・アルディエンテでフラメンコ舞踊家・奥濱晴彦さんとバンドネオン&ギター「タンゴ・グレリオ」のコラボレーション企画「EL ENCUENTRO(邂逅)」に出演。今年出演した中でも特にユニークな企画となりました。

奥濱さんは伝統的なフラメンコ舞踊のスタイルを取りつつもバレエや日本舞踊も研究し、独自の身体表現を追求している気鋭の舞踊家。高い身体能力と表現力から織り成されるダンスは、「物語性」を強く感じさせるものでアルゼンチンタンゴの世界も見事に表現していただきました!

フラメンコ舞踊家・奥濱晴彦 タンゴ・グレリオ(バンドネオン/星野俊路、ギター/米阪隆広)

地域や文化は異なりますが、フラメンコもタンゴも名もなき人々の喜怒哀楽を表現し、庶民の間で発展してきたという歴史があり、根底に流れる精神で相通じる部分もあったかと思います。
両者で歩み寄ることで、フラメンコともタンゴとも違う「新しい時間と空間」を表現できたのではないかと思います。

今回の重要なコラボレーションの一つだったマヌエル・デ・ファリャの「はかなき人生」のアレンジも多くの皆様に好評でした。バンドネオンで奏でられるスペインの旋律はなぜか中近東の雰囲気も色濃く漂い、予想外の不思議な効果が出ました。

フラメンコ舞踊家・奥濱晴彦 タンゴ・グレリオ(バンドネオン/星野俊路、ギター/米阪隆広)

もちろん今回は奥濱さんの自由なな発想と探究心にも助けていただきました。
(男性ダンサーでありながら女性用のスカートとショールを使って踊るという大胆な発想もされます)

小道具を使ったり、カホンでパーカッションを入れたりと様々なアプローチでタンゴの世界を表現していただきました。
ピアソラの「リベルタンゴ」や「シータ」では原曲のパーカッションをカホンでアレンジして入れてくださいましたが、デュオだけでの演奏では出せない疾走感と迫力が出たように思います。

フラメンコ舞踊家・奥濱晴彦 タンゴ・グレリオ(バンドネオン/星野俊路、ギター/米阪隆広)

おそらく事前に私たちのCDや他のタンゴも十分に研究されていたと思います。
真にクリエイティブな方というのは非常に謙虚で、貪欲なまでに新しいことを吸収していかれるんだな、と私たちも大いに刺激になりました!

最後はお客様の鳴りやまない拍手!実は今回はアンコール無しの予定だったんですが、急きょ「ラ・クンパルシータ」を即興でコラボしました。
この曲については本当に全く打ち合わせなしでしたが、微妙な止めやリズムの揺らぎにも一瞬で対応してくれる奥濱さんには脱帽でした。

最後に今回企画していただいたフィガロ株式会社様、アルディエンテ様、そしてもちろんお越しいただいた皆様に厚く御礼申し上げます!

【演奏曲目】
1.エル・チョクロ/ビジョルド
2.ウン・プラセール/ロメオ
3.私の隠れ家/コビアン
4.(グレリオソロ)レクエルド/プグリエーセ
5.プレパレンセ/ピアソラ
6.オブリビオン/ピアソラ
7.シータ/ピアソラ
8.(グレリオソロ)ダンサリン/プラサ
9.(奥濱ソロ)シギリージャ
10.はかなき人生/ファリャ
11.リベルタンゴ/ピアソラ
12.ラ・クンパルシータ/ロドリゲス

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