■ロ・ケ・ベンドラ(来るべきもの)/アストル・ピアソラ
Lo que vendrá/Astor Piazzolla
演奏:井谷光明、米阪隆広
1954年のピアソラの初期の作品。Délia Estrada編のギター2重奏版で演奏しています。
タイトルは来たるべき新しいタンゴの時代を意識して付けられているようです。
短い前奏の後の力強いシンコペーションのリズムは、後のピアソラの作品にも通じる斬新さを感じさせます。
もともとロ・ケ・ベンドラは1952年の別のタンゴのタイトルでしたが、「来たるべきもの」という言葉のイメージが時のペロン政権打倒を連想させるとして、「コントラティエンポ(災難)」というタイトルに改題。後にこの作品にロ・ケ・ベンドラのタイトルが再び付けられるという少々ややこしい経緯があったようです。