演奏動画 重奏

「タンゴの歴史」カフェ1930、ナイトクラブ1960、現代のコンサート/A.ピアソラ

「タンゴの歴史」カフェ1930

■Histoire du Tango~Café 1930/Astor Piazzolla

フルート/山村有佳里
ギター/米阪隆広 

アストル・ピアソラがフルートとギターのために書いた「タンゴの歴史」の第2曲です。
「カフェ1930」はタンゴのロマンチック時代を描いた作品で、この頃のタンゴはダンスよりもむしろ、音楽として鑑賞することが好まれていました。
歌謡曲としてのタンゴも流行し、より洗練されたタンゴは中心街のカフェやキャバレー、映画館などでも頻繁に演奏されるようになった時代でした。
しかし2つの世界大戦に挟まれ、世界恐慌の不安も押し寄せるなど、当時の世相を反映してかメランコリックでどこか儚げな曲調です。

 

「タンゴの歴史」ナイトクラブ1960


■Histoire du Tango~Nightclub1960/Astor Piazzolla

ソプラノサックス/本田千鈴
ギター/米阪隆広

「タンゴの歴史」第3曲です。 1960年代はアルゼンチンの政治や経済が次第に傾き始め、伝統的なタンゴの人気がかげり始めた時代でした。
当時のピアソラは「ハマイカ」「676」といったナイトクラブを拠点に前衛タンゴの旗手として精力的に活動、賛否両論をまきおこしながらも次第に新時代のアルゼンチン音楽の担い手として高く評価されるようになります。
激動の時代と新しいタンゴへの聴衆の熱狂……このナイトクラブ1960はそれを反映してか、最もピアソラの五重奏団の印象が強い作品になっています。

 

「タンゴの歴史」現代のコンサート

Histoire du Tango~Concert d’aujourd’hui/Astor Piazzolla

ギター/米阪隆広
クラリネット/上堂尚子

フルートとギターのために書かれた「タンゴの歴史」のⅣ「現代のコンサート」をフルートに変わってクラリネットで演奏しています。
「現代のコンサート」は4曲の中で最も前衛的な作品でピアソラが敬愛していたストラヴィンスキーなどの影響も感じられ、現代音楽へ接近していくタンゴを描いています。
調性を意図的にくずしたメロディや和声は奇妙な浮遊感は組曲の中でも異彩を放っています。
リズムは1曲目の「ボルデル1900」に通じるシンプルなものですが、終盤にはそれすらも解体され、混とんとした熱狂の中で幕を閉じます。

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