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映画『マチネの終わりに』を鑑賞

ギター関係者の間で昨年から話題となっていた「マチネの終わりに」鑑賞してきました。
福山雅治&石田ゆり子のW主演、主人公のクラシックギタリスト・蒔野聡史を自らがミュージシャンである福山雅治さんが演じていることでも話題になっています。
私自身、毎年開催される大阪ギターサマーで『マチネの終わりに』のギター監修をされた福田進一先生からいろいろお話をうかがって公開を楽しみにしておりました。

ストーリーの主軸はもちろん主人公たちの恋愛なんですが、「ここまでクラシックギターにクローズアップした作品は今後そうそう出ないのでは」というくらいギターの音色が重要な意味を持った映画でした。

映画の内容についてはくわしくは述べませんが、音楽家を主人公にするならピアノでもバイオリンでもエレキギターでも選択肢はいろいろあったはずですが、この壊れやすい透明感のある物語にはやはりクラシックギターの儚い音色でなければならなかったでしょう。

少し色褪せたようなシックなフィルムの映像、おさえめの明るさ、2人の主人公も最近のドラマでありがちな激しく感情をあらわにするタイプではなく、内に強い感情を秘めながら自分たちの人生に向き合っています。
だからこそ最後に2人がたどりついた結論が何であったとしても、観客は主人公たちの気持ちに寄り添うことができるのでしょう。

リサイタルのシーンでは、映画館いっぱいにギターの音が響き、響きが体に伝わってくるような感触で自分が広いホールで演奏しているような感覚に・・・これは実際に映画館で見ないと味わえない感覚かもしれません。

「映画が終わってからも「幸福の硬貨」のメロディが頭に流れて離れない」という感想の方が多いのもうなずけました。
この「幸福の硬貨」という曲については外部ブログにも少し考察を書いているので、お時間がありましたらお読みください。

→「マチネの終わりに」~「幸福の硬貨」について

すでに弾いてみたいという方が多く、楽譜の発売が待たれるところですね。
もしかしたら『禁じられた遊び』のロマンス、『ディアハンター』のカヴァティーナに続く映画のギター音楽の名曲がまた誕生したのかもしれません。

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